最近、痛ましい事件が報道された。去年当時中学2年生だった子どもが、いじめに耐えかね自殺した。
しかし、加害者の側と教師や警察といった大人たちはどこ吹く風であり......さらにそのいじめに対して
「被害届を受け付けない」
「相談してもどこ吹く風どころかいじめに加担していた」
「何もわかっていない人間の戯言であり、我々に責任はない」と言う(加害者の親)
という事が分かっている。
被害者の側から見て、自分が虐められることはとんでもない苦痛である。(わからぬかたも居るようだが)そしてその絶望に追い打ちをかけるのは、誰にもわかってもらえない或いは助けてもらえないという孤独故の大きな絶望である。
確かに、其の責め苦と絶望は刹那的なものかもしれないし、責め苦は学校を卒業すれば消えるかもしれない。しかし、傷跡は残る。そしてさもすればその人の一生を支配しかねない。
ではここで喩え話をしてみよう。
ーーー
有る男が仕事を「気に入らないから」という不当な理由で解雇され、路頭に迷った。
そして、貯金も尽き、ホームレスにもなれず、親類縁者にも支援を断られた。そして、とうとう家を追い出され、3日も何も食べていない。水も、そう飲めなかった。
そこに、食べ物を持った人が現れた。
「恵んで下さい」
男は死にそうな声でそう言ったが、与えられたのは投げつけられた石だった。当たったところから派手に血が噴き出たが、通行人は見て見ぬふりをし、其れに乗じて食べ物を持った人も逃げ出した。
一晩経って、その深い傷の痛みと絶望と飢えの中、男はこの世を捨てて楽園へと赴いた。
残った身体は、無縁仏となった。
ーーー
これはあくまで喩え話だ。しかし、いじめもそんなものではないのか?
「なんとなく気に入らないから、人を陥れる」
「なんとなく嫌悪感を覚えるから、人を攻撃する」
「みんなやってるから、人を虐める、或いは傍観する」
そしてこの人間の性悪性は、戦争や差別、迫害にも色濃く現れる。気づけば、個人ではどうにもできなくなっている。
だから、一様に傍観者を責めるのも愚行であるし、彼らにはきちんと「良心の呵責」といった自責の念という罰が振りかかる。
だが、「罪悪感を覚えないのは罪ではないか?」と思うのだ。罪悪感があれば何をやって良い訳でもない。ただ、其れすら持ち合わせないのは......罪だ。
現に、一人の人間が絶望の中死んだのだ。唯一の味方である親が出してくれた被害届も突っぱねられ、先生に相談してもどこ吹く風。傍観者の層は厚く、彼らが立ち上がることも望みが薄く、もしそうなったとしても振りかかるであろう根本的な解決の難しさ。それが何時まで経っても改善される見込みはなく、エスカレートしていくことへの絶望の中で。
これは全て、人間の性悪性にあることは間違い無いだろう。其れをとある小説では
「共食いの本能」
と形容しているが、言い得て妙だ。
そして、その小説ではこうも言っている。
「人間はその本能を、理由をつけて粉飾する事を覚えている」
まさにそうだ。宗教、外交、民族、資源......etc これらは全て共食いの本能を隠すための欺瞞ではないのか?
そして、其れにそぐわぬものは排除される。しかし、排除される人は総じてその本能を克服或いは昇華し、手懐け有効活用している。そういう人材こそ、必要であるはずなのに。
しかし、もうひとつ忘れてはいけないことがある。「後からはなんとでも言える」のだ。
現に私達はニュースを介さなければこのようなことを全く知ることがなかっただろう。そして、今も何処かでーー
だが其れを今逐一我々は止めようとしているのか?否である。
傍観者を批判しようとしたところで、我々も分厚い傍観者の層のほんの一欠片である。其れを棚に上げ、過激な批判を繰り返すのは荒唐無稽であり、自分が加害者になることになりかねない。
だから我々ができることは、隣人を愛し、同じ事を繰り返さぬようにする「姿勢」であると考えるのだが、どうなのだろう?
ーーー
編集後記?
私も、その罪人の一人である。だから、一生後悔したい。しなければならない。
彼の死は悲しい。だが、その死を見ても我々人間はそれすら見て見ぬふりでどこ吹く風なのか......せめて誰かを止め、誰かを善行へと導いてくれているのか、彼の死を悼む者がいるのか......それともーーー
ここに、最後まで闘った彼に哀悼の意を表させて頂きます。彼が救われていることを、祈ります。
そして、あの人が見ていなくても......7年前してしまったこと、謝っても謝りきれません。それはここに書くまでもなく、できうる限りの行動で、示したく思います。
しかし、加害者の側と教師や警察といった大人たちはどこ吹く風であり......さらにそのいじめに対して
「被害届を受け付けない」
「相談してもどこ吹く風どころかいじめに加担していた」
「何もわかっていない人間の戯言であり、我々に責任はない」と言う(加害者の親)
という事が分かっている。
被害者の側から見て、自分が虐められることはとんでもない苦痛である。(わからぬかたも居るようだが)そしてその絶望に追い打ちをかけるのは、誰にもわかってもらえない或いは助けてもらえないという孤独故の大きな絶望である。
確かに、其の責め苦と絶望は刹那的なものかもしれないし、責め苦は学校を卒業すれば消えるかもしれない。しかし、傷跡は残る。そしてさもすればその人の一生を支配しかねない。
ではここで喩え話をしてみよう。
ーーー
有る男が仕事を「気に入らないから」という不当な理由で解雇され、路頭に迷った。
そして、貯金も尽き、ホームレスにもなれず、親類縁者にも支援を断られた。そして、とうとう家を追い出され、3日も何も食べていない。水も、そう飲めなかった。
そこに、食べ物を持った人が現れた。
「恵んで下さい」
男は死にそうな声でそう言ったが、与えられたのは投げつけられた石だった。当たったところから派手に血が噴き出たが、通行人は見て見ぬふりをし、其れに乗じて食べ物を持った人も逃げ出した。
一晩経って、その深い傷の痛みと絶望と飢えの中、男はこの世を捨てて楽園へと赴いた。
残った身体は、無縁仏となった。
ーーー
これはあくまで喩え話だ。しかし、いじめもそんなものではないのか?
「なんとなく気に入らないから、人を陥れる」
「なんとなく嫌悪感を覚えるから、人を攻撃する」
「みんなやってるから、人を虐める、或いは傍観する」
そしてこの人間の性悪性は、戦争や差別、迫害にも色濃く現れる。気づけば、個人ではどうにもできなくなっている。
だから、一様に傍観者を責めるのも愚行であるし、彼らにはきちんと「良心の呵責」といった自責の念という罰が振りかかる。
だが、「罪悪感を覚えないのは罪ではないか?」と思うのだ。罪悪感があれば何をやって良い訳でもない。ただ、其れすら持ち合わせないのは......罪だ。
現に、一人の人間が絶望の中死んだのだ。唯一の味方である親が出してくれた被害届も突っぱねられ、先生に相談してもどこ吹く風。傍観者の層は厚く、彼らが立ち上がることも望みが薄く、もしそうなったとしても振りかかるであろう根本的な解決の難しさ。それが何時まで経っても改善される見込みはなく、エスカレートしていくことへの絶望の中で。
これは全て、人間の性悪性にあることは間違い無いだろう。其れをとある小説では
「共食いの本能」
と形容しているが、言い得て妙だ。
そして、その小説ではこうも言っている。
「人間はその本能を、理由をつけて粉飾する事を覚えている」
まさにそうだ。宗教、外交、民族、資源......etc これらは全て共食いの本能を隠すための欺瞞ではないのか?
そして、其れにそぐわぬものは排除される。しかし、排除される人は総じてその本能を克服或いは昇華し、手懐け有効活用している。そういう人材こそ、必要であるはずなのに。
しかし、もうひとつ忘れてはいけないことがある。「後からはなんとでも言える」のだ。
現に私達はニュースを介さなければこのようなことを全く知ることがなかっただろう。そして、今も何処かでーー
だが其れを今逐一我々は止めようとしているのか?否である。
傍観者を批判しようとしたところで、我々も分厚い傍観者の層のほんの一欠片である。其れを棚に上げ、過激な批判を繰り返すのは荒唐無稽であり、自分が加害者になることになりかねない。
だから我々ができることは、隣人を愛し、同じ事を繰り返さぬようにする「姿勢」であると考えるのだが、どうなのだろう?
ーーー
編集後記?
私も、その罪人の一人である。だから、一生後悔したい。しなければならない。
彼の死は悲しい。だが、その死を見ても我々人間はそれすら見て見ぬふりでどこ吹く風なのか......せめて誰かを止め、誰かを善行へと導いてくれているのか、彼の死を悼む者がいるのか......それともーーー
ここに、最後まで闘った彼に哀悼の意を表させて頂きます。彼が救われていることを、祈ります。
そして、あの人が見ていなくても......7年前してしまったこと、謝っても謝りきれません。それはここに書くまでもなく、できうる限りの行動で、示したく思います。
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プロフィール
HN:
ANUBIS
性別:
非公開
自己紹介:
享楽主義者で極度の虚弱体質であり、調子が悪くなると饒舌に成る特殊体質の持ち主。
なんだかんだで3日坊主ですぐ飲めないお酒に逃げたがる割に怠惰故に逃避を拒む矛盾した人。
平日に更新しているときは大抵虚弱なお陰で病欠の時だと思われ。
なんだかんだで3日坊主ですぐ飲めないお酒に逃げたがる割に怠惰故に逃避を拒む矛盾した人。
平日に更新しているときは大抵虚弱なお陰で病欠の時だと思われ。
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